トップ
>
ながいも豆知識
> 第4章 ヤマノイモ類の食用以外の用途
前書き
長いもの仲間たち
長いもの歴史
ヤマノイモ類の食用以外の用途
北海道における長いも栽培
引用参考文献
第4章 ヤマノイモ類の食用以外の用途
ヤマノイモ属
植物は、主食または副食としての食料としての利用のほか、東南アジアや中国、アフリカで古くから薬用とくに生薬原料として古くから利用されています。
日本では、生薬としては主に
ヤマノイモ
(
自然薯
)
が用いられていますが、中国の漢方薬「山薬(さんやく)」は、
ナガイモ
を乾燥させたものです。漢方では、滋養強壮、あるいは止瀉薬として用いられます。
ヤマノイモ
や
ナガイモ
などには、多量のジアスターゼ(消化酵素)を含んでいることが知られています。昔から麦とろを食べるときに、あまり噛まず食べられるのはそのためです。
ヤマノイモ属
植物に含まれるステロイド系サポニン、ディオスゲニン(diosgenin)やヤモゲニン(yamogenin)が特に近年注目されています。近年需要の増えた経口避妊薬などの原料として使われています。メキシコの
フロリバンダ(
Dioscorea floribunda
)
という
ヤマノイモ
の仲間は、イモの乾燥重量の10%ものディオスゲニンが得られるそうです。
日本の民間薬としては、火傷やしもやけ薬として、あるいは喘息発作などに用いられているそうです。
海外には有毒物質を含む種類があり、ビルマやマレーシアでは、抽出した有毒サポゲニンを害虫駆除やシラミ駆除に使われています。狩猟や水田害虫防除に使われているところもあるようです。また、インドネシアでは、特殊な種類でタンニンの多いイモがあり、皮なめしや褐色染料として使われるものもあり、沖縄南部から中国南部に分布する
ソメモノイモ
も染料として使われています。また、アフリカ南部原産の
ディオスコレア・ディスコロル
は葉が斑入りで観賞用に栽培されています。
漢方薬の「山薬(さんやく)」
ナガイモ
の乾燥させたもの
ソメモノイモ
(
Dioscorea rhipogonioides
)
ディオスコレア・ディスコロル
(
Dioscorea discolor
)
|
|
|
|
|
|
|
|